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建設業(経営審査)

経営審査も恒常的に行っている訳ではありませんが、特に本年度から様相が変化してきました。経営審査自体が形骸化しておりそれ相応の役目は終了しつつあるのかもしれません。
しかし、現状ここ数年での変化にはついていく必要はあります。
細かい点は各行政機関の指導によるとしまして、基本的なところになります。
建設業界のギブアンドテイクは思うに農業関係のそれに今までは似ていたように思います。農協関係は厳しい農地法や農振法が存在し、転用が厳しく制限されている反面、新規営農者の参入は事実上難しい事になっています。
昔は国が製品を買い上げてくれていたりしました。
建設業界も、建設業法で厳しく攻められて、経営審査では日程と持参資料で縛られて、その上入札参加資格も持参申請の指定までされるところもあります。やっとメンバーに入っても古参企業との競業のハードルは高い。
しかし、公共事業が面々と続いていれば、メンバー外から下請け業者になる事も可能で、そこそこやっていけたと言えるでしょう。
しかし昨今の経済状態では従来の飴とムチの関係のギブアンドテイクは崩れて、ムチのみになりつつあります。
各ハードルの今後の展開がどうなるかは不明ですが、現状ハードルがあるのなら、なるべくつまずかない様にストレスなく通過したい物です。


まず経営審査を受けるかどうか?と、地道に行う場合の日程は

財表は税抜き表現

決算書は参考程度にしかならないんでは

単工事のたらい回し的な表現による工事高作成何故発生したか

固定費削減の為全くの素人事務員が行うには荷が重いかも

業法及び各法規は何とか根性で理解するものの、簿記の概念は根性では?

建築形態を問われる鬼門の建築一式・土木一式工事。特に土木一式

尋常ではない数の提示書類。会社丸ごと持っていく様な、

特例計算で振り替えた場合も被振り替え業種は経営審査業種に加えられないので
 逃げは難しい

何故か一年に一回しかない日程は誕生日なのか。日程変更は事前に申請する

企業は金と人。決算書を組替えた財表を基礎に展開する点数ではキャッシュフロー
 評価の時代にマッチするのか。


まず経営審査を受けるかどうか?と、地道に行う場合の日程は

まず、自分の業種に経営審査ひいては入札参加資格が必要かどうか検討しなくてはなりません。建設業許可はあっても、そこまで必要としない場合、或いはどうしても必要な場合とケースバイケースであるとおもいます。

建設業許可が取れないような条件では問題外ですが、それ以後の必要性を考えることは重要です。そうしないと変更申請の決算、工事履歴からかわってきてしまいますので、

まず、経営審査を受けると決めましたら、その年の説明会に出てみることです。3月位には来期の方針が示されると思います。情報が無ければ各行政機関にお問い合わせ下さい。

その中でご自身で可能と思えば準備しますし、どうも難しそうだと思えば専門家を捜す事になります。専門家に頼んだとしても、どんなことを頼んで知るか最低限経営者の方は理解している必要があると思います。

その場合自分の会社の決算期に対応する経営審査日を目標に、変更届・経営分析・を事前にこなしておく必要があります。

経営審査日から逆算して日程を組みます。

財表は税抜き、工事履歴は経営審査用でお願いします。チェック表にて事前準備が必要なものをよういします。

その場合、変更届と同一内容のはずのものが変更では言われずに分析・経審で指摘を受ける事がありますので、あくまでも経営審査を受けている様な気持ちで事前書類を揃えます。そうしないと、初めからやり直しで数ヶ月遅れてしまう場合もあります。

財表は税抜き表現

経営審査を受けない場合は税込み表現で財表を作成してかまわないのでそうしている事が多いと思いますが、受ける場合は財表から税抜き表現なので、変更から税抜き表現になっていないと対応出来ません。 
正確な完成工事金額を表現する為だとは思いますが、他の何処にメリットがあるのかは現在勉強不足ですが、こうなっている以上合わせなくてはなりません。

税理士の作成する一般的な財表から変更しなくてはならない所が面倒です。

決算書は参考程度にしかならないんでは

税理士さんの業界は良く知らないんですが、実際の決算書を預かるといろいろな方式があって、そのまま転用可能なものから、組み替え必要なものから色々なので注意が必要です。私自身開業当時は簿記の知識が無く、あわてて簿記学校に夜通って何とか貸し方借り方決算整理までは習いました。

当然ですが、本来は税金が確定する事が税務所さん向けには重要事項なんですが、建設業では実際の工事内容を表現する事が重要になります。

完成工事原価の表現に、工事にかかった費用を入れるわけですが、それを頂いた決算書の経費の部分から振り分けることが主になると思います。

基本は工事売り上げと、工事に!かかった費用を考えていけば良いと思います

単工事のたらい回し的な表現による工事高作成何故発生したか

これは経審ポイントアップか、売り上げ至上主義の弊害だと思います。1つの工事がまとめると何倍にもなってしまうのでは、当然同一業種での工事たらい回しがあったと言えますが、丸投げが横行するとこんな事になってしまうのではと思います。

一括下請け禁止規定の意味を理解していれば、あまり考えられない状態ですが、色々総合していくと全体では工事金額は実体と違ってしまうのは、いかがなものかとの疑問もあります。

何十倍にもなってしまうのは明かですが、数倍になってしまうのは他業種とのからみでは起こりうるのではないかと思います。

法令遵守で工事を施工していきたい部分です。

固定費削減の為全くの素人事務員が行うには荷が重いかも

建設業関係の経理が長い方では良いのですが、普通の経理経験では作業内容が経理的な所と役所との応対的な所があるので少し荷が重いかも知れません。

昨年度などは、不景気の為に自社の未経験者が直接担当し、相当手直しを受けた様で建設業組合の用紙売り場が繁盛した様です。

事経営審査ですから公共工事に頼っている業務内容ですと致命的です。ポイントアップがうんぬんも大事ですが、通らなかったら話になりません。

専門家に頼まなくても担当者がかかりっきりになっていれば、結局不経済ですので、他の件のアイデアも出させていくと言う使い方で総合的なメリットを社外に求めるのも一考かとも思います。

業法及び各法規は何とか根性で理解するものの、簿記の概念は根性では?

建設業関係法規とかは特別法的な要素が有りますので、民法とか商法とかと違ってニュアンスが微妙なところがありまして、弁護士さんや司法書士さんでも分かりにくい経験的な部分が必要だと思います。それでも大筋は読んで質問して足で稼げば根性でも基本的な所は押さえられると思います。

しかし、財表となると簿記の知識が無いと分かりにくいです。それに伴って行政書士には簿記が最初に必要な知識だと思い簿記学校で大筋は教わりました。周りは相当若い人ばかりで自分の年ではダブルススコアーのおじさん状態でしたが周りを気にしてられなかったので受講しました。

最初をかじっただけですが、簿記が分からないで商法何条がうんうんかんぬん言っているのは、頭隠して尻隠さず状態であると思いました。

さすが、東インド会社が航海にあたり作り上げた技術です。

建築形態を問われる鬼門の建築一式・土木一式工事。特に土木一式

ここ2,3年前から一式工事が鬼門です。元請け工事しか一式工事を認めてもらえません。一式工事は元々総合的な施行ですが原則通りと言えば言えますが、5,6年前までは何も言われないどころか種目が増える位の説明だったので、何の説明も受けずに変更、経営審査と進むと大変な事になります。

解釈が変わって来たと言うか、原則通りになってきたと言うか何か疑問が残る部分もありますが、運用がそうなったので(多分国の見解)仕方有りません。

それでは下請けだけの土木業者は全く種目がとれないのか?なんて疑問もありますが、概ね施工金額があれば下請けでも例外的に良いそうです。

このあたりの例外扱いがよく分かりませんが、このあたりの金額の切り方がどうなんでしょう?なんて思います。

既に世の中は自己責任の領域に踏み込んでいますが、やはり、お上の管理で厳しく扱う許可関係では市場が或いは顧客が育たない様な気もしないでもありませんです。

施工側のレベルアップだけを求めれば、大手で全ての管理が出来る組織だけが残り、とりあえずの元請け業が最重要ポイントとなってしまうのではと言う危惧を感じます。

施工側の管理のみでは業界自体が沈んでしまうのでは、最終的には顧客側のレベルアップにつながる様な実体的な情報提供も今後必要になると思います。

尋常ではない数の提示書類。会社丸ごと持っていく様な、

説明書の中の持参書類をみて驚きますが、経理書類並びに保健関係、従業員管理関係の書類をごっそり提示義務が書いてあります。

ここまで必要有るのかと疑問もありますが、逆に言うとそれほど信用されていない業界なのか?なんてこともあります。

税務署だって自分から会社に来るんですが、似たような事を会場に持って行かなくてはならないのでなんて言う事だ?なんて最初は思いましたが、、そうなっています。

たまに、小さいバックで来場している人がいるのですが、書類は何処に?なんて思ったりしますが、たいていの人は、紙袋いっぱいか、段ボール持参です。

ここまでやるか?ってな感じです

特例計算で振り替えた場合も被振り替え業種は経営審査業種に加えられないので逃げは難しい

特例計算なるもので振り替えた経験がないので、制度自体の目的が良くわからないのですが、当然被振り替え業種の部分は無くなるので、注意して適用しないといけないのではと思います。

そもそも、特例とか例外とか書いてないけどいくら以上とかが多いので分かりにくい部分です。

何故か一年に一回しかない日程は誕生日なのか。日程変更は事前に申請する

何故か指定日が一年に一度しかありません。それに伴った事前準備になりますので日程の注意が必要です。

日程変更も可能にはなっていますが、作業が一つ増えます。

特に、建設業ですから下請けの支払日とか給料日とかは経理マンが忙しいのは決まっているので、出す方の都合も多少は考えて欲しいところです。

企業は金と人。決算書を組替えた財表を基礎に展開する点数ではキャッシュフロー評価の時代にマッチするのか

決算書も所詮決算書ですから、実体を100%反映してはいない所がつらいところです。大元が税金算出目的が大きい趣旨ですと、特に中小規模の会社では、それらを元とした財表が企業評価に値するのかが疑問の点です。

本当は人の評価が出来れば一番良いのですが、それができなので致し方ないとは言えますが、最近金融機関で良く指摘を受けるキャッシュフロー的な評価をしないと、結構ポイントが良いのに黒字倒産なんて事も十分可能性があるところです。

公共機関は経営審査ポイントで発注を考えるんでしょうが、民間ならやはり、施工の評判とか社長あるいは営業の人柄によると思います。

金と人、、どう評価して行くか、してもらうかが今後の方向性ではないでしょうか?

杉山行政書士事務所 Daisyo-Ya Sugi代表 杉山英生
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