隣接地或いは自己所有地内の官地払い下げお考えの方

いわゆる払い下げ申請です。大まかに言って国有地払い下げと、県有地払い下げがあります。
まず払い下げが可能かどうか?が調査ポイントになります。該当地がそもそも個人所有に移転して良い公共性の残存性とでも言いましょうか、個人所有にしても概略問題ないと言う判断が必要です。
それと、近隣隣接地にも当然権利が発生するために、その方々の承諾が必要です。作業に入れば、一般的な測量的な近隣関係の調整は必要です。
県所有地・特例市所有地の場合は、国有地払い下げと全く違った行程を踏む場合があり、通常の判断では一概に払い下げ可能かどうか?判断しきれない場合がありより調査を加える必要があります。



一般的な払い下げ手順

県有地払い下げの問題点

道路法との関係

河川法との関係(県管理・国管理との差、河川区域の繊細な判定とそれに対する費用)

特例市或いは特例市になる可能性が高い場合の取り扱いの注意点

一般的な払い下げ手順

資料現地調査により可能性を判定
可能性有りとの判定する場合は土木事務所と事前協議を開始する
民有地・利害関係人との民民境界を確認する
現況測量し、仮杭を打設する
官民境界確定申請(各種図面+謄本+隣接地所有者一覧+謄本+申請書+委任状)
                                                申請人の実印押印部分有り
官民境界立ち会い(隣接地所有者立ち会いのもと境界確認)
立ち会い結果を元に乾麺境界確定証明願いを申請し受領する(数週間)
用途廃止申請(各種図面+土地調書+写真+etc)
メインの申請になる為に、各種同意書が必要な場合有り(部農会・町内会・隣接地所有者etc)
用途廃止の通知
売り払い申請 財務局提出 保存登記承諾関係の書類も提出する場合が多い
売り払い決定 金額が決定し納付する 保存登記承諾関係書類を受け取る
一般的な表示登記を申請(国有地には地番が無いので地番をつける)
保存登記申請
権利書完了

県有地払い下げの問題点

県有地の場合は、国有地が最終的に財務局が担当するのと違い、県庁の公共用地関係部署が担当します。案件が少ないため財務局と違い定型的な扱いが定まっていないケースが多々あります。
つまり、最初の申請時の可能性の判定において、公共性のあるものを個人所有に許可する判断が難しいです。上位官庁であるはずの国の財務局の見解を下位(かどうかわかりませんが?)官庁のやり方に類推適用する事が危険です。
より民の立場に近いからでしょうか?公共性がある財産を民に渡すことについて、それ相応の理由を国以上に求められる印象です。
どこまでが入札まで必要とする物件なのか、どの程度までが個人可能なのかは、まさしく国以上のケースバイケース。
土地の価格にしても、不動産鑑定士さんに見て貰う程の地積では無い場合は、県庁担当者が直接鑑定し、価格を算出する場合もある様です。
よって、国有地払い下げ以上の事前調査、事前協議を重ねる必要があると思います。

道路法との関係

河川区域よりは良いですが、道路法の道路であるとの担当部署の解釈が入ると道路法の規定により、1年近く申請を止められて公共の縦覧に供しなくてはならないです。
つまり、問題無いとは思われても、最終的完了予定日程を相当先に設定する必要があります。
道路法の道路であるかどうかの判定ですが、道路として使われていなくてもその昔道路だった場合は通常廃道された証明が担当部署に残っていないと道路との判定を受ける可能性は高く、市街地より遠方の申請地の場合は特に注意が必要です。
廃道した行政機関の証明が地番をまとめて表示してある場合は(個別ではない)どちらともとれるので、裁量としては非常に難しいと言わざるを得ません。
特に県の場合は受付担当と判断担当が同一機関と同等な位置にある関係から、双方が判定しづらい面もあります。
道路法と各法規を精査した上での事前協議になります。

河川法との関係(県管理・国管理との差、河川区域の繊細な判定とそれに対する費用)

払い下げにかかわらず河川法が絡む、或いは絡みそうな地域は要注意です。同じ河川区域内でも県管理・国管理との地域があり一番難しいのは、これらの又境目です。双方の担当者との打ち合わせが必要で正確な測量図が現存するとは限りません。
当然、河川区域内にはいれば払い下げ可能性は、ほぼ無くなるとは言えますので、申請者の立場としては、河川区域外である証明を測量+担当部署の見解を合わせて証明しなくてはなりません。
その場合、現地に河川区域内なる表示看板があり、設置に蓋然性を推定できなくてもやはり担当部署はその看板を基準にしますので、実際の位置と看板の位置の相対関係は出たとこ勝負になります。
つまり、繊細な測量を行ってからでないと、希望位置がどこにあるか不明な点を合わせて、看板の位置もそれらの測量の上に相対位置をはかります。
しかし、問題は全ての測量をしてからでないと、目的位置を特定出来ない点です。
ここまで究極の位置関係になることは希ではありますが、そんな事もあると言う観点で可能性を考えて行く必要はあります。
もちろん、川の反対岸に基準点があったりして、区域境を特定する手段は残されているとは思いますが、全体の申請の中でのコストには見合いません。
可能性の判断とコストとの打ち合わせが他申請よりまして重要なものになります。

特例市或いは特例市になる可能性が高い場合の取り扱いの注意点

ご存じの様に通常の市町村と違い特例市扱いの自治体は移管される行政作業が多く、払い下げ申請受理行為も移管あるいは移管されていくケースが多いと思われます。
その場合自治体が完全に作業に慣れ親しんで時があります。通常は山間部などから順番に担当地域を受け持っていくケースがありますが、申請地が担当であるか無いかから、何処へ提出するのかから始める必要があります。
特に成り立ての自治体は作業方法がわからなく、完了期間の想定が難しく余裕を持った設定が必要です。
担当部署に慣れた担当者の出向があるのか、無いのかも関係してきます。
いずれにしても、期間とコストの把握が申請者には必要です。
それらとあわせて、そもそも申請行為の必要性との整合性との検討も必要と言うことになります。